■研究結果に疑問の声も

 この関連性は「観察的」にすぎないと、研究チームは強調している。これは、今回の研究では大気汚染が精子の正常形態率低下の原因とは断定できないことを意味する。

 今回の研究には参加していない英シェフィールド大学(University of Sheffield)のアラン・ペーシー(Allan Pacey)教授(男性病学)は、精子の大きさと形状は評価が困難なことで知られており、それらが不妊に及ぼす影響についてはまだ明らかになっていないと指摘。「そのため、論文執筆者らは潜在的に興味深い生物学的結果を明らかにしたものの、それが臨床的に意味のある結果かどうかは何とも言えない」と述べた。

 英オープン大学(Open University)のケビン・マッコンウェイ(Kevin McConway)氏は、研究チームが考慮に入れていないその他の要因が、今回観察された精子の変化に関与している可能性を指摘している。(c)AFP