■森の開拓を迫る政府と産業界

 人口調査によると、2000人程度いたとされるワイアピの人々は、1973年にはわずか151人となってしまった。

 村人たちによると、ブラジルとフランス領ギアナの間にも昔から暮らしているワイアピの集団がいるが、彼らは地理的に隔離されていたため、伝染病からは逃れたという。

 こうして生き残ったワイアピの人口はその後、ブラジル政府のワクチン接種プログラムによって約1200人まで回復した。1970年代の伝染病流行で死亡した世代、つまり高齢の人々にはどこの村に行っても会わないが、子どもたちはあちこちにいる。

 ワイアピの人々が今、恐れているのは病気ではなく、採鉱と伐採のために森の開拓を迫るブラジル政府と産業界からの圧力だ。ズァクーさんは言う。「同じことが二度と起きないよう、われわれは闘っている。私は子どもや孫、村人たちにそう言い聞かせている。戦いの用意はできている。われわれは決して退かない覚悟だ」(c)AFP/Sebastian Smith