■チャイナドレス姿でフラワーアレンジメントも

 台湾で最も有名なチャイナドレスの製作者は間違いなく、65歳のチェン・チュンシン(Chen Chung-hsin)だ。彼はチャイナドレス制作へ熱意を抱いてもらうため、ツアーグループや学校の遠足修学旅行のために、自身のこじんまりとした工房を公開している。台湾人監督、侯孝賢 (ホウ・シャエシェン、Hou Hsiao Hsien) 監督がカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した、アクション映画「黒衣の刺客(The Assassin)」の衣装を手掛けたことでも有名だ。チェンは父親からその技術を学び、店を継いだ。

台北市内の工房でオーダーメイドチャイナドレスの調整をするチェン・チュンシン(2017年8月31日撮影)。(c)AFP/SAM YEH

 彼は顧客たちのチャイナドレスを「幸せな気持ちを込めて」作っていると語る。「もっと多くの人たちに、既製品とは違う、伝統的なオーダーメイドのチャイナドレスを見てほしい。私のものは、彼らの体形をより良く見せる」。彼の上顧客の1人である台北のマーケティング・エグゼクティブ、ヨギ・マ(Yogi Ma)はこの伝統衣装を日常着にするためにチャイナドレス・クラブを設立した。チャイナドレスはどのような体形にも似合い、異なるカッティングや生地を使うことによって近代的にすることも可能だと彼女は言う。

 チャイナドレスを「中国人女性の美」を表すものと見ている42歳のマは、「チャイナドレスはとても優雅でかわいらしい。今、着用している女性が少ないことは残念だ」と語る。彼女のフェイスブック(Facebook)を拠点とするクラブは4,000人以上のフォロワーを持ち、ウィスキーの試飲からフラワーアレンジメントまで、メンバーたちがドレスを着用して参加できるイベントも主催している。 (c)AFP/Amber WANG