【9月5日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)は4日、女子シングルス4回戦が行われ、世界ランキング418位のカイア・カネピ(Kaia Kanepi、エストニア)は6-4、6-4でダリア・カサキナ(Daria Kasatkina、ロシア)を下し、準々決勝へ駒を進めた。

 両足のけがや病気で一時は引退の危機に追い込まれ、昨年の今頃は自宅のある母国の首都タリン(Tallinn)で今後も競技を続けるか考えていたという32歳のカネピは試合後、「自分がこれだけ良いプレーができていることに感動している」と喜んだ。

 四大大会(グランドスラム)では過去に5度のベスト8進出を経験しているカネピだが、「エプスタインバーウイルス」や足底筋膜炎の影響により、2016年はわずか1大会の出場にとどまっていた。

「去年の6月は、自分が再びテニスをするかなんてどうでもよかった」と当時を振り返るカネピは「ただ普通の生活をしようと思った」と話し、犬を散歩に連れ出したり、米ハワイ(Hawaii)へ休暇に出かけたりして時間を過ごした末に、再びラケットを握る決断を下したという。

 その後、2008年北京五輪の男子円盤投げ金メダリストであるゲルド・カンテル(Gerd Kanter、エストニア)とトレーニングに励み、再び体調を整えたカネピは今季、国際テニス連盟(ITF)主催の下部ツアー2大会に出場したが、ブカレスト・オープン(BRD Bucharest Open 2017)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)では予選敗退に終わっていた。

 今大会はプロテクトランキングを使って予選から勝ち上がり、グランドスラムの本選で2年ぶりの白星を飾っているカネピは、「ああいったことが起きたうえで、自分の今の立ち位置を信じるのは非常に難しい。予想していなかった」と話した。

 カネピは次戦、2010年大会以来となる全米オープンの準々決勝でマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)と対戦する。大会第15シードのキーズは同日、第4シードのエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)を7-6(7-2)、1-6、6-4で撃破している。(c)AFP/Dave JAMES