【7月29日 AFP】第17回世界水泳選手権(17th FINA World Championships)は28日、競泳の各種目決勝が行われ、女子200メートル平泳ぎでユリア・エフィモワ(Yuliya Efimova)が優勝したのをはじめ、ロシア勢が3種目を制覇した。

 ロシアは男子200メートル平泳ぎに加えて男子200メートル背泳ぎも制し、男子4×200メートル自由形リレーでも銅メダルを獲得した。しかし、この日最大のドラマは、エフィモワが平泳ぎを制して宿敵のリリー・キング(Lilly King、米国)にリベンジを果たしたレースだった。

 最後の50メートルで強さを発揮したエフィモワは、2分19秒64でフィニッシュし、米国のベサニー・ガラット(Bethany Galat)を2秒13差の2位に抑えた。中国のシ・セイリン(Jinglin Shi)が3位に入り、第8レーンを泳ぎ最初の50メートルでトップに立ったキングは、失速して2秒47差の4位に終わった。

 リオデジャネイロ五輪の女子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得したキングは、ドーピング違反で2015年2月までの16か月間にわたり出場停止処分を受けていたエフィモワに対して、「薬物違反者」と呼びつけるなど同五輪で舌戦を繰り広げており、それ以降、両選手の間には確執が生じていた。

 キングが世界新記録で優勝した25日の女子100メートル平泳ぎでは3位に終わったエフィモワだが、この日は200メートルを制して喜びを味わった。

 29日のレースに備えるためレース後の記者会見を回避したエフィモワは、「リリー・キングが祝福してくれました。彼女は第8レーンにいたので、レースの間は姿が見えていませんでしたが、彼女の存在はずっと意識していました」と認めた。

 エフィモワの勝利に勢いづいたロシアは、男子200メートル平泳ぎでも20歳のアントン・チュプコフ(Anton Chupkov)が2分6秒96の大会新記録で優勝し、母国の金メダル獲得に貢献した。

 ロシアの3種目制覇の口火を切ったのは、男子200メートル背泳ぎを制した20歳のエフゲニー・リロフ(Evgeny Rylov)だった。1分53秒61のタイムを記録したリロフは、リオ五輪の100メートルと200メートル背泳ぎで金メダルを獲得したライアン・マーフィー(Ryan Murphy、米国)を0秒6差の2位に抑えた。

 一方、米国勢ではシモーネ・マヌエル(Simone Manuel)が女子100メートル自由形で優勝し、母国に歓喜をもたらした。23日の女子4×100メートル自由形リレーで世界記録を破ったスウェーデンのサラ・ショーストレム(Sarah Sjostrom)は銀メダルを手にした。

 52秒27で1着となったマヌエルと、0秒04差で2着につけたショーストレムに続き、0秒42差の3着にはデンマークのペニレ・ブルム(Pernille Blume)が入った。

 男子4×200メートル自由形リレーでは、最終泳者のジェームス・ガイ(James Guy)が力強い泳ぎをみせた英国が金メダルを獲得し、ロシアが銀メダル、米国が銅メダルに輝いた。(c)AFP