【7月26日 AFP】練習試合中に倒れ、一時は危篤状態にあったオランダ・エールディビジのアヤックス(Ajax)に所属するアブドゥルハーク・ヌーリ(Abdelhak Nouri)が、自発呼吸が戻ったため、集中治療室を出られたことがわかった。しかし、脳に深刻な損傷が残っていることは変わりがないという。

 20歳のヌーリは14日、搬送先のオーストリアの病院からアムステルダム大学学術医療センター (Academic Medical Center) へ移され、ケアを受けている。

 クラブは家族の名前で声明を発表し、「今は人工的な昏睡状態にはなく、呼吸機能も完全に戻っている」と話しつつ、「状態は前回の発表時と変わらず安定しているが、脳に深刻かつ恒久的な損傷が残っている」と重い事実を明かした。

 7歳でアヤックスに入団し、アピー(Appie)の愛称で将来を嘱望されていたヌーリには、オランダ国内外から激励のメッセージが寄せられている。

 ヌーリは、8日にオーストリアで行われたヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)との練習試合中に不整脈を起こして昏倒。蘇生処置を受けてからヘリコプターでインスブルック(Innsbruck)の病院へ緊急搬送された。

 当初の報道は前向きなもののようにみえたが、不整脈によってヌーリの脳が酸素不足に陥り、甚大なダメージを受けているとクラブが発表すると、復帰の希望は打ち砕かれた。

 14日にヌーリがオランダへ戻って以来、センターの構内には多くの人が見舞いに訪れ、祈りをささげている。入り口から100メートルほどの柵にはアヤックスのタオルマフラーや花、詩、子どもたちの描いた絵、ヌーリの背番号34の入ったユニホームなどが置かれ、そのすべてに「頑張ってアピー(#StayStrongAppie)」というスローガンが添えられている。

 4人の子どもを持つ母親だという女性は、バラの花を置き、「アムステルダム(Amsterdam)だけでなく、国中が悲しんでいます。わが子のことのように思っています」と話した。(c)AFP/Yassine KHIRI