【7月20日 AFP】ツール・ド・フランス(2017 Tour de France)は19日、第17ステージ(ラ・ミュールからセール・シュヴァリエ、183キロメートル)が行われ、チーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)に所属する元スキージャンパーのプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)がステージ優勝を果たした。

 2007年のスキージャンプジュニア世界選手権(FIS Nordic Junior World Ski Championships)で団体優勝に貢献し、2012年に自転車競技に転向した27歳のログリッチは、スロベニア勢初となるツールのステージ優勝を飾り、「本当にうれしいよ。スロベニアの自転車競技で歴史を刻んだこともうそみたいだ」と語った。

「(ツールでステージ優勝を果たすことを)ずっと夢みていたから自転車競技を始めたんだ。だけど、これは夢みたいなことでもあり現実でもある」

 昨年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2016)で個人タイムトライアルを制したのに続き、三大ツール(グランツール)でステージ優勝を飾ったログリッチは、今季のレースではボルタ・アン・アルガルベ(Tour of the Algarve)で総合優勝を果たしている。

 さらにログリッチはツール・ド・ロマンディ(Tour de Romandie 2017)で総合3位、ティレーノ~アドリアティコ(Tirreno-Adriatico 2017)で総合4位、個人タイムトライアルを含めてステージ2勝を挙げたバスク一周(Vuelta al Pais Vasco 2017)では総合5位に入るなど、オールラウンドのライダーとして進化し続けている。

「自転車競技を始めたときから、山岳コースが大好きだった。そのうちタイムトライアルも得意だと分かったけれど、とにかくすべてのレースで強くなりたい」と話すログリッチだが、ジロでタイムトライアルを制するなど、いきなり頭角を現したことで疑惑が持たれている。

 仏のメディアでは、隠しモーターつきの自転車に乗っているという根拠のないうわさが伝えられたが、ログリッチは「ただ笑うだけさ。あんなばかげた話にはコメントする気にもならない。あんなことで心配したり悩んだりすることはない」と一蹴した。

 総合争いではチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が首位を守り、キャノンデール・ドラパック(Cannondale Drapac Pro Cycling Team)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)が27秒差の2位に浮上。アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)が3位に続き、アスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)が4位に後退した。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN