【6月27日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)は26日、中国・浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)市の教区司教が「無理やり連れ出され」た後、拘束されているとして「深刻な懸念」を表明した。

 行方が分からなくなっているのはピーター・シャオ・シュミン(Peter Shao Zhumin)司教。バチカンのグレッグ・バーク(Greg Burke)報道官によると、フランシスコ(Francis)法王は司教の状態を「深く悲しんでいる」という。

 ミラノ外国宣教会(P.I.M.E.)が運営するウェブサイト「Asianews.it」によると、司教は5月18日から拘束されている。拘束されている場所は不明。

 友人らは、中国当局が司教をバチカンの認めた地下教会から脱退させ、政府公認の中国天主教愛国会(CPCA)に加わらせようとしているのではないかと心配しているという。

 バチカンと中国政府は長らく、中国国内での司教の任命権限をめぐって対立してきた。ただ最近は関係改善に向けて協議を続けており、今回のようにあつれきが表面化するのはまれだ。

 天主教愛国会の司教は中国政府によって任命され、バチカンが同意する場合もある。一方、バチカンの任命は中国政府には認められていないが、一部は黙認されている。

 中国国内には公認・地下を合わせて約1200万人のカトリック教徒がいると推定されている。(c)AFP