【5月29日 AFP】スペインの登山家キリアン・ジョルネ(Kilian Jornet)さん(29)が、1週間で2回の世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8848メートル)の登頂に成功したと、ジョルネさんのチームが28日、明らかにした。

 声明によると、ジョルネさんは、エベレストの北側にあたる中国・チベット(Tibet)自治区側の標高6500メートル地点にあるベースキャンプを出発し、27日遅くに頂上に到達した。

 ジョルネさんは、「再び登頂できてとてもうれしい! 今日は気分が良かった。ものすごい強風で速く進むのは大変だったけれど」と声明でコメント。「1週間で2度のエベレスト登頂に酸素ボンベなしで成功したことにより、登山家の可能性の領域はさらに広がったと思う。それを成し遂げたことは、とてもうれしい」と述べた。

 ジョルネさんは22日にも、北側からのエベレスト登頂に成功している。その際の所要時間は26時間で、固定ロープや酸素ボンベを使わない登頂としては新記録だと主張している。

 当初はベースキャンプと頂上の往復にかかる所要時間で世界記録を狙っていたが、下山途中に胃の不調に見舞われ、より高所にあるキャンプで休憩を取ることを余儀なくされた。

 登山に関する記録は、登山家が登頂時の写真や全地球測位システム(GPS)のデータといった証拠を持ち帰り、それを審査機関が検証して事実と認めた場合に限り正式に登録されるのが通例となっている。登頂を認証する中国チベット登山協会(China Tibet Mountaineering Association)は今回の登頂をまだ確認していない。(c)AFP