■巨匠フェリーニとの出会い

 エジプトで最も有名な映画監督の一人、ユースリ・ナスラッラー(Yousry Nasrallah)氏は、1988年にカンヌ映画祭に自身の監督作を出品するまでは映画評論家として参加していた。

 その中でもとっておきの思い出は、1980年に『女の都(City of Women)』を出品したイタリア人のフェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)監督と出会ったときのことだという。

「私が映画評論家だった頃、朝の8時半に『女の都』を見ていたら、フェリーニ監督と会って一緒にコーヒーを飲む機会に恵まれた。あれは特別だった」

「フェリーニはとても愉快で、飾り気がなく、話し好きで、すごく面白くて、相手をすぐに打ち解けさせるような人だった。この作品についても驚くような話をしてくれた。いつも少しだけ大げさなところがあり、道化のようで、素晴らしい人だった」と、巨匠の思い出を語っている。(c)AFP