【5月11日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の米国を脱出してカナダを目指す移民たちから法外な乗車料金を取っていたとして、ニューヨーク(New York)州のタクシー事業者が2500ドル(約28万5000円)の罰金を科されたことが10日、分かった。

 エリック・シュナイダーマン(Eric Schneiderman)州司法長官によると、タクシー会社「ノーザン・タクシー(Northern Taxi)」を運営するクリストファー・クラウニングシールド(Christopher Crowningshield)代表は、カナダとの国境沿いまで移民を乗せた際の約30分間の乗車料金として、通常50~75ドル(約5700~8500円)のところ最大300ドル(約3万4000円)を請求していたという。

 カナダにはトランプ氏の米大統領就任以降、米国からの難民申請者が殺到。カナダ政府によると今年1~3月に当局が身柄を拘束した国境越境者は1860人に上った。

 米・カナダ国境沿いまで行かれる公共交通機関はないため、ニューヨーク州北部のプラッツバーグ(Plattsburgh)でタクシーを拾い、38キロ離れたシャンプレーン(Champlain)という小さな町まで行ってから、徒歩で川を渡ってカナダ入りするのが移民たちの使うルートの1つとなっている。

 クラウニングシールド代表はおとり捜査によって検挙された。罰金に加え、今後は乗客に前もって料金を伝え、プラッツバーグからカナダ国境まで乗せた場合は77.5ドル(約8900円)以上は請求してはならないことが義務付けられた。

 シュナイダーマン州司法長官によると、このほか2社が検挙され、それぞれ罰金900ドル(約10万円)と350ドル(約4万円)を科された。(c)AFP