【5月10日 AFP】ナイジェリア政府は9日、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に拉致された女子生徒200人以上のうち82人が3年ぶりに解放された交渉において、同組織の戦闘員と結婚していることを理由に、解放されることを拒否した少女がいたことを明らかにした。

 ガルバ・シェフ(Garba Shehu)大統領報道官によると、当初ボコ・ハラムは少女83人の解放に合意していたという。しかしシェフ報道官は地元テレビ局に対し、「1人の少女が、『私には夫がいる。私はここで幸せ』と話した。それで82人が帰ってきた」と語った。

 少女82人は数か月におよぶ交渉の末、先週6日、政府が拘束しているボコ・ハラムの容疑者の一部との身柄交換で解放された。昨年10月にも21人が解放されており、それ以前にも3人が発見、救出されている。いまだ解放に至っていない少女たちの解放交渉も始まっているものとみられている。

 厳格なイスラム国家の樹立を目指しているボコ・ハラムはナイジェリア北東部を活動拠点とし、自爆犯として利用することなどを目的に、これまで数千人の女性や少女を誘拐してきた。また男性や少年も強制的に戦闘に参加させられている。2009年以降、ナイジェリア国内でボコ・ハラムに関連して死亡した人々は少なくとも2万人に上っている。(c)AFP/Ola AWONIYI