【5月3日 AFP】米大リーグ(MLB)のボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)は2日、本拠地フェンウェイ・パーク(Fenway Park)のファンがボルティモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)のアダム・ジョーンズ(Adam Jones)外野手に人種差別を行ったことについて謝罪した。

 今月1日に行われたレッドソックス対オリオールズのナイターでは、黒人選手のジョーンズに人種差別的な暴言が浴びせられただけでなく、スタンドから物体が投げつけられた。本拠地があるボストン(Boston)の街から批判の声が噴出する中、今回の行為に「うんざりしている」というレッドソックスは、標的となったジョーンズにわびている。

 レッドソックスのサム・ケネディ(Sam Kennedy)球団社長は、「1日夜にフェンウェイ・パークで起きたことにつき、アダム・ジョーンズ選手とオリオールズ全体に対し、公式に謝罪したい。球場で物が投げつけられたリ、人種差別の対象になったりしてもいい選手は一人も存在しない。レッドソックスはそうした許されない行為を断じて許容しないし、一部の無知な人間による行動に対して、ファンと組織全体はうんざりしている」と声明を発表した。

 レッドソックスはまた、侮辱行為に関わった観客にはスタジアムへの入場禁止を命じただけでなく、新たに追加処分を加える可能性も示唆している。

 一方、今季開幕ロースター入りを果たしたアフリカ系選手62人の一人で、5度のMLBオールスター(MLB All-Star Game)選出を誇るジョーンズは、今回の事件について「他人の価値を下げるために、人々がそうした種類の言葉に訴えるのは非常に残念」と話した。

 さらに、単なる入場禁止処分はファンの行動を変えることにつながらないというジョーンズは、違反行為に及んだ観客には生涯出入り禁止などの厳罰が科されるべきとの考えを米紙USAトゥデー(USA Today)に示している。(c)AFP