■死してなお

 また研究チームは、動物の死骸を用いて「風葬」と呼ばれる古代の葬制の理論的影響を評価した。風葬は、遺体を埋葬せずに外にさらして自然に処理させる方法だ。

 分析の結果、土葬、火葬、風葬の三つのケースすべてで、土壌には周辺よりも「有意に」高い濃度の化学物質が含まれていたと、スメイダ氏は指摘した。

 もし墓地がなかったら、人間の遺体は、動物の死骸と同じように無作為に分布して、死体から放出される栄養物が「何度も繰り返し、至る所で」再利用されると考えられると、スメイダ氏はAFPの取材に語った。

 だが、遺体を特定の場所に集めることは「自然ではないこととみなすことができる。それは人的な影響であり、自然の濃度を変えることになる」と、スメイダ氏は説明する。

 そこで問題となるのは「必須元素をより広範な地理的範囲にわたって分散させる方法に関するより良いアイデアを生み出すことは可能なのか」だと、スメイダ氏は続けた。

「より環境に優しく、より環境保護に寄与する可能性のある新たな埋葬方法や、新たな遺体処理方法などが発明、開発、実現される可能性は確かにある」と話しながらも、葬儀の習慣は文化や宗教に深く根ざしているものであるため、多くの人々にとってこの種の話題が「タブー」となっているのは事実だと、スメイダ氏は認めた。

「これは非常に複雑な問題で、われわれはまだ議論のスタートラインに立ったばかりだと思う」と、スメイダ氏は話した。(c)AFP/Mariëtte Le Roux