【4月15日 AFP】英大衆紙サン(The Sun)は14日、イングランド・プレミアリーグのエバートン(Everton)に所属するロス・バークリー(Ross Barkley)に関する記事を執筆したコラムニストのケルビン・マッケンジー(Kelvin MacKenzie)氏を「人種差別主義者」とし、出入り禁止にすると発表した。

 英国で最も販売数の多い同紙の記事は、今週バークリーが英リバプール(Liverpool)市内のナイトクラブで暴力騒動に関与したことについてのものだった。

 マッケンジー氏は、祖父がナイジェリア人であるバークリーを「動物園のゴリラ」と比較するとともに、リバプール市においてバークリーと同等の給料を手にしているのは薬物のディーラーだけと記した。

 記事は「彼らがロスに向かってサルのように興奮した理由」と見出しが打たれ、バークリーの目とゴリラの目の写真が並べられた。

 リバプールのジョー・アンダーソン(Joe Anderson)市長はこの記事を警察に通報し、独立新聞基準組織(IPSO)は同紙を「差別的で侮辱的」と評した。

 サン紙の発行元はマッケンジー氏を「即刻出入り禁止」にしたとし、同氏のリバプール市民に対する意見を「誤ったもので、面白くもなく、われわれの見解とは異なるもの」だとしている。

 サン紙とマッケンジー氏は、リバプール市内では人気が低い。1989年に発生した「ヒルズボロの悲劇(Hillsborough Disaster)」で、当時マッケンジー氏が編集員を務めていたサン紙は、リバプールのサポーターに責任を負わせるような記事を報じていた。(c)AFP