【3月1日 AFP】フィンランド警察の犯罪容疑者のデータベースにロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の名前が入っていたことをめぐり、データベースを管理していた警察官が過失の罪に問われていた控訴審でヘルシンキ(Helsinki)の裁判所は先月28日、警察官に無罪を言い渡した。

 プーチン大統領の名前は2013年、組織犯罪に関与している疑いがある人物として、データベースに登録されているのが見つかった。地元メディアの指摘により明らかになったこの事実は物議を醸し、フィンランド警察は「重大な間違い」だったと公式に謝罪し、調査を開始した。

 身元は明らかにされていないが、この警察官はデータベースを管理する担当だった。データベースには禁錮6月以上で罰せられる可能性のある容疑者の名前が登録されていたという。

 ヘルシンキの控訴裁判所は裁定で、この警察官に過失による刑事責任を負わせるだけの、データベース管理における彼の責任がはっきりと定義されなかったと述べた。今回の件では別に2人の警察官が同様に過失の罪に問われたが、下級裁で棄却された。

 この件が明らかになった後、プーチン大統領の報道官は、同大統領がその報道に対して「皮肉を込めた」反応を見せたことを明らかにし、警察官らに対する法的な対応は望まないとする姿勢を示していた。

 プーチン大統領の名前はデータベースに登録されてから2週間ほどで削除されたが、名前が登録された詳しい経緯は明らかにされなかった。(c)AFP