【2月10日 AFP】リオデジャネイロ五輪の陸上男子円盤投げで金メダルを獲得したクリストフ・ハルティング(Christoph Harting、ドイツ)が、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長を痛烈に批判し、ロシアのドーピングスキャンダルの責任を取って辞任するべきだと主張した。

 26歳のハルティングは、9日に発行されたドイツ日刊紙ベルリナー・モルゲンポスト(Berliner Morgenpost)のインタビューの中で「バッハ会長は辞任するべきだ。そうすれば、IOCはクリーンなスポーツのために立ち上がり、首尾一貫した行動が取れる新たな人物が会長になれる」とコメントしている。

「五輪の理念は、この数年間で大きなダメージを受け、信頼性が失われた。今こそ組織の透明性、明瞭性、一貫性、そして持続性を求める改革が必要だ。さもなければ、2040年までに五輪は徐々に消滅していくことになるだろう」

 63歳のバッハ会長は昨年、世界反ドーピング機関(WADA)の調査報告書でロシアの組織的なドーピングが発覚したにもかかわらず、IOCとして同8月に開催されたリオ五輪でロシアの全面排除に踏み切らず、薬物違反に対して厳しい態度を取れなかったとしてドイツ国内で厳しい批判にさらされた。

 2012年ロンドン五輪の金メダリストであるロバート・ハルティング(Robert Harting、ドイツ)を兄に持つハルティングはまた、今年8月5日から13日まで開催される第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)にロシア選手の出場が認められなかったことは正しいとの見解を示した。

 国際陸上競技連盟(IAAF)は先日、ロシア陸上競技連盟(ARAF)の資格停止処分について、定期的な検査で選手の潔白が示されるまで継続すると発表した。

 ハルティングは、故意にドーピング物質を使用した選手を永久追放処分にするべきだとする一方で、「しかしながら、食べ物に含まれていた場合など、陽性反応を示したのは意図的でなかった選手については、2度目のチャンスを与えるべきだ」と語った。(c)AFP