【2月3日 AFP】米イリノイ(Ilinoi)州シカゴ(Chicago)で2日、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を生き延びた十数人が集まり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が難民の受け入れ停止やイスラム圏7か国出身者の入国禁止を命じた大統領令に対し、自らの経験を重ね合わせながら抗議を行った。

 ホロコーストの生存者らは抗議に参加した理由について、第2次世界大戦(World War II)の開戦前と戦中にユダヤ人が迫害から逃れるなかで経験した苦悩を引き合いに出しながら、国家の安全の名目で難民に門戸を閉ざす策には声を上げなければならないと感じたと語った。

 生存者の一人で80代のアーロン・エルスター(Aaron Elster)さんは「テロリストの行いを口実にして大勢の人を排除するなど、あってはならないことだ」と訴えた。

 ナチスのアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所に送られた80代後半のフリッツィー・フリッチャル(Fritzie Fritzshall)さんは、母と2人の兄弟を同収容所で失った。大統領令によりすべての難民の受け入れが4か月間停止されたことについて、フリッチャルさんは「待つにはとても、とても長い時間だ」と述べ、「人々はおなかをすかせ、喉も渇き、寒さに耐えている」と批判した。(c)AFP