【1月28日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がメキシコ国境への壁建設を計画し、両国の関係が悪化している中、米誌ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)のメキシコ版が、米ファーストレディーのメラニア(Melania Trump)夫人(46)を起用した2月号の表紙を発表し、ソーシャルメディアで怒りの声が上がっている。

 同誌が発表した2月号の表紙では、宝石を身に着けた清潔感あるメークのメラニア夫人が、ジュエリーが入れられた器から、まるでパスタのようにシルバーのチェーンをフォークで巻き取るポーズをとっている。しかし今週、過去数十年間で最大の外交問題に陥ったメキシコの人々の多くは、この表紙に激怒した。

 トランプ大統領は計画している国境沿いの壁の建設費をメキシコ側に払わせると主張しているが、メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は、そんなことはあり得ないと述べていた。さらに米政府が壁建設の資金源としてメキシコからの輸入品に関税を課す方針を示したことから、対立はペニャニエト大統領が来週米首都で予定されていたトランプ氏との会談をキャンセルする事態にまで発展している。

 そうした中、ソーシャルメディアでは多くのユーザーがヴァニティ・フェアの表紙について「屈辱的」「悪趣味」と評した。

 メキシコの著名な知識人デニース・ドレッサー(Denise Dresser)氏は「ヴァニティ・フェア、メキシコ版よ、メラニア・トランプを表紙にしてくれてありがとう。思いやりや共感、愛国心や編集部の知性を示した好例だ」と皮肉をツイートした。

 表紙の写真と掲載されているインタビューは実は、米男性誌「GQ」の昨年4月号に掲載されたもので、両誌の出版元は同じ親会社コンデナスト(Conde Nast)。(c)AFP