【1月27日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)の男子シングルスで決勝進出を果たしたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が26日、準決勝スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)戦の重要な局面で要求したメディカルタイムアウトは「何にもまして精神的」なものだったと明かした。

 2セットアップから追いつかれたフェデラーは、第4セットと第5セットの間に脚上部に治療を受けると、最終的には7-5、6-3、1-6、4-6、6-3でフルセット勝ち。同大会6度目の決勝進出を果たし、四大大会(グランドスラム)18勝目に王手をかけた。

 35歳のフェデラーは、タイムアウトが自身の頭をすっきりさせたかと問われると、「何にもまして精神的なものだと思う」としたうえで、「おそらく試合の中で初めて誰かと話すことができる。それがトレーナーだったとしてもね」と語った。

 時として、メディカルタイムアウトは物議を醸す。2013年大会の女子シングルス準決勝ではスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)と対戦したビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が、重大な場面でコートを離れたことで、周囲から疑惑をかけられた。

 この日の試合では、ワウリンカも2セットダウンとなった直後にタイムアウトを要求。コートに戻ると第3、第4セットを奪う逆襲を披露した。

 フェデラーはワウリンカのタイムアウトについて、「内容は知らないけど、スタンも会話ができたおかげでリラックスできたのではないかと思う。僕もそれと同じだよ」とすると、「脚がどれくらい悪いのかや、状態がどうなってほしいかなど、問題について話すとコートに帰ってきたときには前向きな効果が出ている」と話した。

「『彼はすでに1回取ったし、僕も変化を求めて取れるかな』と思ったから、タイムアウトを要求した。というのも、選手は何度もタイムアウトが認められるべきではないと信じているからね」

 一方惜しくも敗れたワウリンカは試合後、フェデラーのタイムアウトは試合の結果には影響しなかったとして、まったく気にかけない様子を見せた。

「とにかくあれはセット間の休憩、つまり長めの休みだ。僕も必要なときに取った。僕たちはお互いを理解しあっている。僕たちは余計なタイムアウトを求める選手ではないんだ」

「もし取るとすれば、それは必要だから。結末を見れば、僕は第5セット序盤にいくつかチャンスがあった。(タイムアウトは)スコアに影響したとは思わないよ」(c)AFP