■ドーピングの撲滅へ

 北京五輪の女子三段跳びと走り幅跳びで銀メダルを獲得したロシアのタチアナ・レベデワ(Tatiana Lebedeva)も、検体を再検査したところ、ステロイド剤として禁止薬物に指定されているデヒドロクロルメチルテストステロン(dehydrochlormethyltestosterone)に陽性反応を示し、IOCから失格処分を受けた。

 レベデワはロシア紙スポーツ・エクスプレス(Sport Express)に対し、「ずいぶん前の秋ごろに、(北京五輪のメダルを失うことになるという)その情報を受け取っていました。決して故意にドーピングしたのではなく、自分は不正行為で有罪だと考えてはいません」と語った。

 レベデワはまた、「もちろん、偶発的なミスである証拠は、誰も持っていません。しかし、自分がミスを犯したなら、それを法廷で証明しなければなりません」と話し、勝訴の確立は「わずか」であっても、弁護士を立てて異議申し立てを行う意向を示した。

 IOCは現在、最新技術を用いて2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪で採取された数百件に上る検体の再検査を実施しており、以前は不可能だった違反行為の摘発が可能となった。

 リレー種目に関しては、出場メンバーの1人が違法薬物を使用していた場合、チーム全体がメダルを剥奪されることになっている。両五輪では、これまで合計1243件の再検査が行われている。(c)AFP