【1月13日 AFP】女子テニスのユージェニー・ブシャール(Eugenie Bouchard、カナダ)は、周囲から向けられる厳しい目の対処法について、男子テニスで問題児扱いされているニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)に相談し、「ヘイター(hater、けちをつける者)」を無視することを学んだと明かした。

 お互いにスランプに陥っているブシャールとキリオスは、プロと私生活の両面で問題を抱えており、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)に出場する選手の中でも注目されている。絶頂から一気に落ち込んだキャリアのスランプから脱出を図っているブシャールは、ツアーで最も人気の高い選手の一人として注目を浴びせられることは、計り知れないものがあると主張した。

 試合中にみせる問題行動に対して賛否両論を集めながらも、将来の四大大会(グランドスラム)王者として呼び声が高いキリオスと、期待される重圧について話し合ったというブシャールは、豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)に対し、「そのことについて少し話をしました。そしてヘイターはけちをつけるものであり、彼らには耳を貸さないことだという結論に達しました」と明かした。

「そうした存在は無視することが本当に重要です。他人の意見だからといって、そのまま受け入れるわけにはいきません。分かりますか?言われたことについて考えていると、本当に頭がおかしくなります。自分の人生が他人に影響されることを許してはおけない。それはニックの姿勢でもあります。賢明なことだと心から思いますし、尊重します」

 2014年シーズンのブシャールは、準優勝したウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)をはじめ、全豪と全仏オープン(French Open 2014)でも4強入りを果たすなど、ツアーで最も収益をもたらす女子選手の一人となった。しかし、自信に満ちあふれ、カリスマ的人気を誇っていた22歳は、2015年シーズンにキャリアが急転直下で落ち込み、ランキングも後退した。

 現在は世界ランク49位に沈むブシャールは、アピア国際(2017 Apia International Sydney Tennis Tournament)の準決勝でジョアンナ・コンタ(Johanna Konta、英国)に敗れたものの、およそ10か月ぶりにベスト4入りを果たした。カナダ・ケベック(Quebec)州出身のブシャールは、間近に迫る全豪オープンに向けて「正しい方向への良いステップ」になったと語った。(c)AFP