【1月4日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は3日、ロシア陸上競技連盟(ARAF)に対して中立の立場で国際大会に出場するロシア人選手に向けた新基準を明示したと発表した。

 今年8月に行われる第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)へのロシア人陸上選手の出場は、中立としての参加が唯一の道になるとみられている。

 IAAFは要求される基準について、クリーンな選手の奨励や保護という適切なシステムを導入しなかったARAFにどんな形であれ直接関与していないことを証明することや、中立での出場を申請する選手のコーチ、医師、その他の支援者が反ドーピング規則に抵触したことがあるかどうか、またどれほどの量のドーピングサンプルを提出しているかを確認するなどとしている。

 またIAAFは、ロシアによる「国家ぐるみ」のドーピングを主張するカナダの法律家リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の下で活動する調査団から200人のロシア人陸上選手の名簿を受け取ったと明かし、「中立での出場を申請する選手につていは、マクラーレン氏の報告書やガイドラインに基づき評価を行う」としている。

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、ロシアのドーピング問題の黒幕に対して、厳しい言葉を投げ掛けた。

「ロシアの陸上選手は、彼らを守り、その偉業を祝福すべきシステムではなく、疑惑を生み、競技から排除させられるシステムに失望している。われわれはロシアの選手の独自の検査のために、信頼の置けるシステムを構築する道を探し続ける。つまり、彼らには、競技に戻るための別の道がある。そしてまたわれわれは、ARAFの復権に向けても動き続けていく」 (c)AFP