■名監督たちのアイデアを映像に

 プリエト氏は、メキシコ市での子ども時代に映画への愛を育んだ。父が持っていた8ミリカメラで兄と一緒にモンスター映画を作りながら、1960年代の映画『アルゴ探検隊の大冒険(Jason and the Argonauts)』を見てストップモーションアニメの手法を学んだ。そうして映画業界への関心をかきたてられたプリエト氏は、映画学校に進学。やがて自身のヒーローのような存在だった人々と仕事をすることになる。

 どんなタイプの監督が好きか──協力的か独裁者タイプか、細部までこだわる人か自由放任タイプか、計画的か即興的か──と尋ねるとプリエト氏は、特定のスタイルというよりも、いろいろな監督と仕事をするのが好きだと答えた。

「アン・リーとオリバー・ストーンのやり方はほとんど正反対だが、私は両方とも楽しんでいる」とプリエト氏は話す。リー監督は「非常にきっちりしていて、とても細かい」のに対し、ストーン監督は「驚かされることを好む」という。

 プリエト氏はまた、「(ストーン監督は)撮影現場ではちょっとしたカオスを刺激にしている。オリバーといるときは常に気を抜いてはだめだ」と述べ、そして、「スコセッシはその両者を混ぜたような感じ。イニャリトゥもだ。この2人はどちらも緻密だが、流れに任せる部分もある」と説明した。(c)AFP/Frankie TAGGART