【12月7日 AFP】温暖化が進む北極圏で海氷が縮小し、今世紀半ばまでにホッキョクグマの個体数が3分の1減少する恐れがあると警告する研究論文が7日、英国王立協会(Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に掲載された。

 論文によると、世界全体で2万6000頭と推定されるホッキョクグマの個体数が今後35年で30%以上減少する確率は70%に上るという。

 他の調査でも同様の結果が示されており、国際自然保護連合(IUCN)が作成する世界の野生動植物の絶滅危機の度合いを示す「レッドリスト(Red List、絶滅危惧種リスト)」でも、ホッキョクグマは絶滅の危険が増大している「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されている。

 今回発表された論文はこれまでで最も包括的な内容で、35年間の北極圏の海氷の衛星データと、北極圏に4か所ある生息域に散らばる19のホッキョクグマの群れの移動状況を組み合わせ、結果を算出した。

 論文は「ホッキョクグマは生活の大部分を海氷に依存している」と指摘している。最も重要なことは、開けた海域ではホッキョクグマより上手に泳ぐアザラシを捕獲するため、ホッキョクグマは海氷を海に浮く小さな桟橋として利用していることだ。(c)AFP/Marlowe HOOD