【11月24日 AFP】パキスタン北東部ラホール(Lahore)の裁判所は23日、イスラム教を冒涜(ぼうとく)したとの疑いを掛けられたキリスト教徒の夫婦が集団に暴行され、窯で焼かれて殺害された事件の裁判で、被告5人に死刑判決を言い渡した。

 キリスト教徒の夫婦が殺害された2014年のこの事件は、パキスタン国内で激しい怒りを引き起こした。一方で被害者の家の近隣に住むキリスト教徒の家族らが恐怖を感じ地域から逃げ出す事態になった。

 読み書きができなかったこの夫婦は、イスラム教の聖典コーラン(Koran)の一部をごみと一緒に捨て、イスラム教の神聖な本を汚したとイスラム教徒からぬれぎぬを着せられた。北東部パンジャブ(Punjab)州で起きたこの事件の目撃者らは、怒った数百人の集団がこの夫婦を暴行し、れんが工場の窯で2人を焼いた様子を語っている。

 夫婦の遺族の代理人を務める弁護士は、計103人が訴追されたと語った。だが、裁判所はれんが工場の所有者を含む90人に対し無罪判決を言い渡している。

 裁判所は5人の死刑判決とは別に、8人に禁錮2年の有罪判決を言い渡している。(c)AFP