【11月9日 AFP】第45代米大統領に選ばれるのは、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官なのか、それとも共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏なのか──米国民は8日夜、勝敗の行方が判明する瞬間を固唾をのんで見守ることになる。

 知っておくべき主な点として、①勝つために必要な数字とは②注目すべき州はどこか③勝者判明にかかる時間は、の3項目を以下にまとめる。

■マジックナンバーは「270」

 米大統領選は、国全体の一つの大きな選挙というよりも、50州に首都ワシントン(Washington D.C.)を加えた計51か所で争われる小さな選挙の集まりだ。

 州ごとの集計結果が入るごとに、選挙地図が色付けされていく。共和党が勝てば赤、民主党なら青だ。勝利するためには、各州に振り分けられた選挙人538人のうち、少なくとも270人を獲得する必要がある。

■劇的展開が起こり得る州

 最初に投票が締め切られるのは、東部で午後7時(日本時間9日午前9時)。最後はアラスカ(Alaska)州で、日本時間9日午後3時となる。

 手に汗握る展開が始まるのは、ジョージア(Georgia)、サウスカロライナ(South Carolina)、バーモント(Vermont)、インディアナ(Indiana)、ケンタッキー(Kentucky)の5州で投票が締め切られる日本時間9日午前9時からだ。

 最初のサプライズが生まれる可能性があるのは、通常は共和党寄りのジョージア州でトランプ氏が負けるか、前回に民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)現大統領が勝ったバージニア(Virginia)州でクリントン氏が負けた場合だ。

 その30分後、激戦州のオハイオ(Ohio)とノースカロライナ(North Carolina)で番狂わせが起きる可能性もある。オハイオの選挙人数は18人、ノースカロライナは15人。かつて工業地帯として栄えたオハイオ州は、歴史的に民主党が強く、一方のノースカロライナは共和党が勝つ傾向にある。しかし今年は両州で反対の結果が出てもおかしくはない。

 その後1時間半ほどの間に、それぞれ数人~数十人の選挙人を抱える約30州から集計結果が立て続けに入る見通しで、選挙地図の赤と青の色付けがさらに進むことになる。