【9月26日 AFP】ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)中心街で24日夜に発生し警官2人が重傷を負った爆発について、警察当局は25日、警官の殺害を狙った自家製爆弾による攻撃だったとの見方を示した。爆弾には金属片が詰め込まれていた。

 ハンガリー警察のカーロイ・パップ(Karoly Papp)長官は記者会見で、これまでに容疑者の捜索と殺人未遂容疑での捜査を開始したと説明。「われわれの警官が攻撃の標的とされた。ハンガリーの警察全体に対する攻撃だとみなしている。警官たちの『処刑』を狙ったものだ」と述べた。

 カーロイ長官は、警官2人は徒歩で巡回中に爆発の標的になったと説明。テロとの関連についてはコメントせず、「7つの可能な筋書きを検討中だ」と語った。

 カーロイ長官によると、容疑者は身長約1メートル70センチの20~25歳の男で、淡い色の釣り帽子をかぶり、ジーパンと白いトレーナーを着ていた。同長官は容疑者の逮捕につながる情報の提供者に1000万フォリント(約370万円)の懸賞金を出すことも明らかにした。

 爆発は24日午後10時36分(日本時間25日午前5時36分)に、交通量の多い大通りに面した店で発生。カーロイ長官によると、爆発で23歳の女性警官が命にかかわる傷を負い、26歳の男性警官も重傷を負ったが、いずれも現在は容態が安定している。

 ハンガリーでは10月2日に欧州連合(EU)の難民受け入れ割当ての是非を問う国民投票が予定されており、移民排斥の立場から実施を呼び掛けたオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相は、反対多数の民意を示すことでEU側に対して加盟国の意志に反したことを強制すべきでないというメッセージを送りたい考えだ。政府の移民排斥キャンペーンは治安をめぐる不安を強調しており、そのポスターでは移民をテロに強く結びつけている。(c)AFP/Peter MURPHY