【9月22日 AFP】国際テニス連盟(ITF)は21日、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup)とフェドカップ(Fed Cup)決勝の中立地開催、またデ杯における5セットマッチ形式の廃止など、従来の方式に修正を加える意向を明らかにした。

 また、今回の発表には、フェド杯のワールドグループの出場国数を16か国に増やし、デ杯と統一する考えなども含まれている。

 シーズンのクライマックスになる両大会の決勝戦はこれまで、ファイナリストになった二か国のどちらかのホームで行われてきたが、ITFは、サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の決勝や米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のスーパーボウル(Super Bowl)のように、「公開入札」を採用して開催地を決定すると発表した。

 ここ数年は、選手からデ杯とフェド杯の大会日程や方式には不満の声が上がっていた。もう一つの提案として、現在3日間にわたって行われるデ杯の対戦日程を2日間に短縮することも検討されている。

 先週行われたデ杯準決勝は、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)のわずか5日後に開催され、英国対アルゼンチンの第1試合では、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)とファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)が5時間に及ぶフルセットの死闘を演じていた。

 昨年の同大会で母国を79年ぶりの栄冠に導いた世界ランキング2位のマレーも、「形式を変更するという考えは良いと思う。(試合が行われる)週末の期間を短くするとか」と語るなど、こうした変更を歓迎するという。

 今季はウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で優勝、リオデジャネイロ五輪でも金メダルを獲得したマレーは先週の準決勝の際に、「個人的には、五輪、ウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2016)、そして全米オープンを終えた後に、3日間で10時間、11時間コートに立つことは、とても厳しかった」と発言していた。

 しかしながらマレーは、「今現在行われているような、ホーム・アンド・アウェーで行われる雰囲気が本当に好きだ」と言い、取り決められた都市で決勝を開催するという考えには難色を示している。

「テニス選手は、世界中を旅して中立的な会場で多くの試合を行っているから、そうした(デ杯決勝の中立地開催の)形式に慣れていないし、デ杯のホーム・アンド・アウェーは他と違って特別で、楽しめている」

 ITFのデビッド・ハガティ(David Haggerty)会長も、形式には改善の余地があるとして、「デ杯とフェド杯は年に一度行われるテニス界で最も大きなスポーツイベントだ。両大会はファンの情熱や興奮といった点でたぐいまれであるが、われわれはより良いものにするため、革新を続けていかなければならない」と主張する。

 決勝の開催地として関心のある都市による入札は今年12月に始まり、結果は来夏に出されるという。

 またその他の提案は、来年行われるITFの年次総会で承認されなくてはならず、変更は2018年に導入される予定となっている。(c)AFP