【9月13日 AFP】北朝鮮北東部で多数の死者を出した大規模な洪水の被災地を視察した国際赤十字(International Red Cross)は、同国で「大規模な複合災害」が発生していると警鐘を鳴らした。

 国際赤十字による北朝鮮派遣団の代表を務めるクリス・ステインズ(Chris Staines)氏は被災地を訪れ、「私たちが視察したところでは、今回の災害が非常に大規模で複合的なものであることは明らかだ」と述べた。

 豪雨に伴って発生し、北朝鮮北東部の村々を襲った大規模な洪水による死者数は少なくとも133人、行方不明者は数百人に及び、被災地一帯は建物が流されるなど壊滅的な被害を受けた。緊急の食糧支援と避難場所を必要としている人々は14万人に上っている。

 またステインズ氏は、「洪水で住む場所を失った人々は今、非常に厳しい状況に置かれており、特に衛生面に関して、二次災害が起きる危険性が高まっている」と指摘している。

 すでに慢性的な食糧不足に苦しんでいた北朝鮮は、トウモロコシやコメの収穫を数週間後に控えた時期に約1万6000ヘクタールの農地が冠水したことで、さらなる打撃を受けた形となった。

 国際赤十字は、「収穫量の減少は、数週間もしくは数か月経過した後に新たな惨事として認識されるだろう」と警告している。(c)AFP