【9月12日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2016)第13戦のサンマリノGPは11日、MotoGPクラスの決勝が行われ、レプソル・ホンダ(Repsol Honda)のダニ・ペドロサ(Dani Pedrosa、スペイン)が見事な逆転劇でモビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)を抑えて優勝した。

 ペドロサはこの日、同じくスペイン出身で昨季総合優勝を果たしたモビスター・ヤマハのホルヘ・ロレンソ(Jorge Lorenzo、スペイン)、ロッシ、チーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)らから後れを取る8番手からのスタートとなった。しかし、ソフトタイヤを選択したことが戦術的に奏功し、2位でスタートした地元のロッシを逆転して首位に立った。

 残り7周でロッシを追い抜き、そのままトップをキープしたペドロサは今季初勝利、自身通算52勝目を挙げた。ロッシが僅差で2位、3位にロレンソが入った。

 4位でフィニッシュしたレプソル・ホンダのマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)は合計223ポイントで総合首位を維持。ロッシが合計180ポイントで2位、ロレンソが合計162ポイントで3位、ペドロサが合計145ポイントで4位となっている。

 昨季は2勝を挙げて総合4位を記録したペドロサは、「個人的にはとてもうれしい。今日はリズムに集中して、自分のレースをしようと思った。この勝利は私のファン、家族、そしてチームのものだ」と語った。

 この日集まった10万人のファンの多くは、通算7度のワールドチャンピオンに輝いたことのあるロッシに声援を送った。2009年以来となる最高峰クラスでの8度目の総合優勝を目指すロッシが表彰台でブーツからシャンパンを飲むと、詰めかけたファンからは盛大なチャントが沸き起こり、ペドロサの表彰式での歓喜は半減した。

 ロッシはレース後、「ロレンソとマルケスに勝つためにベストを尽くした。自分が優勝に向けて良いペースで走っていると感じた時はとてもうれしかったが、途中でペドロサの姿が見えた時は、『そんな馬鹿な』と思った。彼の方が速かった。特別なレースだから、ここミザノ(Misano)で勝ちたかった」と語った。

 また、ロッシのチームメートで昨季は自身3度目となる総合優勝を果たしたロレンソは、今回の結果に失望を示すとともに、すでに次戦のアラゴンGPへ向けて気持ちを切り替えている。

「彼らは私より速かった。勝つために戦うことを期待されたいたから喜ぶことはできない。今はもう次のレースを待たなくてはいけない。厳しい時間を過ごしていたから、ダニの勝利はうれしい」

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