【9月10日 AFP】バスケットボール殿堂(Basketball Hall of Fame)は9日、米マサチューセッツ(Massachusetts)州スプリングフィールド(Springfield)で2016年の殿堂入り式典が行われ、シャキール・オニール(Shaquille O'Neal)氏、アレン・アイバーソン(Allen Iverson)氏、姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏ら10人が表彰され、引退したスーパースターの数々の功績を祝う式典では、現役時代におけるそれぞれの活躍が認められた名選手によるスピーチが行われた。

 3人のほかには、米女子プロバスケットボール協会(WNBA)で4度の優勝を果たしたシェリル・スウープス(Sheryl Swoopes)氏、NBAで27年間審判を務めたダレル・ギャレットソン(Darell Garretson)氏、ミシガン州立大学(Michigan State University)の名将トム・イッゾ(Tom Izzo)氏、アフリカ系米国人コーチの先駆者として知られるジョン・マクレンドン(John McLendon)氏が殿堂入りを果たした。さらに、功労者部門ではシカゴ・ブルズのジェリー・ラインズドルフ(Jerry Reinsdorf)オーナー、ベテラン部門ではゼルモ・ビーティ(Zelmo Beaty)氏、そしてパイオニア部門ではカンバーランド・ポージー(Cumberland Posey)氏が表彰された。

 殿堂入り選手では史上最も高い身長229センチを誇り、「長い間このときを思い描いていた」とコメントした姚氏は、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)で1試合平均19得点、9.2リバウンドを記録。現役時代の8年間ではNBAグローバル親善大使を務め、度重なる足の故障で2011年に引退を余儀なくされた後も、バスケットボールの普及活動を続けており、「人生でも最高の時間を過ごしてきたヒューストン・ロケッツでの時間を、決して忘れることはない」と語った。

 一方、通算4度のNBAファイナル制覇を達成したオニール氏は、自身をたたえるために集まってくれた往年の伝説的選手を見渡しながら、「このような偉大な選手の仲間入りを果たせて、本当に光栄だ」と語った。

「シャック(Shaq)」の愛称で知られるオニール氏は、「ドクターJ」ことジュリアス・アービング(Julius Erving)氏を引き合いに出し、「いつもドクターJのような名選手になることを夢に描いていた」と認めると、ファンに対して「君たちも仲間だ。リーグの大切な一員でいてくれて感謝する」とコメントした。

 オニール氏はまた、姚氏について英語が話せないと3年間信じていたことを告白。現役時代にアジアのスーパースターである同氏の動きに魅了され、「おい、ヤオ。ナイスムーブ」と声をかけた際のエピソードとして、「彼から『ありがとう、マイブラザー』と言われたんだ。言葉の壁があると思っていたから、彼には3年間も話しかけられなかったんだ」と明かした。

 そのオニール氏に対して、アイバーソン氏は「シャック」と呼びながら「史上最強の選手の一人だ」と称賛した。フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)時代の2000-01シーズンにチームをNBAファイナルに導いたアイバーソン氏は、同シリーズでオニール氏を擁するロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に敗れている。

 若いころは問題児だったアイバーソン氏は、母校ジョージタウン大学(Georgetown University)のコーチであるジョン・トンプソン(John Thompson)氏に対しても、「俺の人生を救ってくれたトンプソンコーチに感謝したい」とたたえると、「今なら『自分の教え子は地位を固めた』と自慢できますよ」と語った。

 ランドルフ氏は、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏を擁した1990年代に、ブルズが8年間で6度のNBA制覇を成し遂げたことを思い起こしながら、「選手だけでは優勝できない。組織一丸となることが必要だ」とコメント。それに対してアイバーソン氏は、1990年代の超スーパースターであり殿堂入りも果たしているジョーダン氏に憧れていたと強調し、「マイケルにようになりたかった」と明かした。

 一方、WNBAではジョーダン氏のような存在として知られるスウープス氏は、通算4度のリーグ制覇を果たし、女子では最初のスター選手として人気が爆発。スピーチでは「練習に励み、信じることと諦めないことが夢を実現させる」と語った。(c)AFP