【8月22日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が2014年にイラク北部ティクリート(Tikrit)近郊で新兵1700人を大量虐殺した事件で、イラク政府は20日、殺害に関与したとして死刑判決を受けていた36人に対する絞首刑を執行した。当局者らが明らかにした。

 事件では、2014年6月にティクリート近郊のスペイサー(Speicher)軍事基地から新兵がISの戦闘員やIS支持派の武装集団によって拉致され、殺害された。犠牲者のうち約400人は、シーア派(Shiite)が多数を占める南部ジカル(Dhiqar)県の出身者だった。36人は「スペイサーの虐殺」と呼ばれるこの大規模な殺人事件で有罪と判断されていた。

 絞首刑は20日午前にジカル県ナシリヤ(Nasiriyah)の刑務所で執行された。同県知事の報道官によると、死刑執行にはフアード・マスーム(Fuad Masum)大統領の許可があったという。

 ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相は、首都バグダッド(Baghdad)で先月、1度の爆弾攻撃では過去最悪となる300人余りが犠牲となった爆弾攻撃事件が発生したことを受け、テロ事件の死刑囚に対する死刑執行を迅速化したい意向を示していた。(c)AFP/Bassem Attiya