【8月17日 AFP】南アフリカのプラチナ鉱山ベルト地帯に住む女性の4人に1人がレイプの被害にあっていたことが、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が16日に発表した調査結果で明らかになった。

 調査はMSFが2015年末の2か月余りの期間に、ヨハネスブルク(Johannesburg)の北西に位置するルステンブルク(Rustenburg)地域で無作為に選んだ18歳から49歳の女性800人以上を対象に行ったもの。

 MSFで同地域の人道問題を担当しているギャレット・バーンウェル(Garret Barnwell)氏はAFPの取材に対し、「調査で明らかになったのは、ルステンブルクでは女性4人に1人がレイプされていることだ」と述べた。

「われわれに衝撃的だったことは、発生率で考えると、毎年約1万1000人の女性が被害を受けているということだ」

 また報告では、レイプ被害者の女性の中で、被害を受けた後のケアと処置のために保健施設に行った女性はわずか5%であることも示されている。

 レイプ被害の後すぐに抗HIV薬を使用すれば、HIV感染を防げることを知っているのは、調査対象者のわずか半数だった。南アフリカでは総人口の11.2%に当たる約620万人がHIVに感染していると推定されている。

 最新の犯罪統計によると、2014/15年の報告期間に南アフリカ全体で4万3195件のレイプが記録されている。これはそれまでの5年間で最も少ない件数だった。(c)AFP