【8月15日 AFP】ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)露スポーツ相は14日、国際陸上競技連盟(IAAF)がリオデジャネイロ五輪出場を唯一認めていた女子走り幅跳びのダリア・クリシナ(Darya Klishina)から出場資格をはく奪したのは「残酷」だとした上で、こうした動きを「挑発的だ」と批判した。

 IAAFはクリシナについて「新情報を得た」として同選手の出場資格を取り下げたが、クリシナはすでにスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てている。

 いら立ちを隠せないムトコ露スポーツ相は、国営タス通信(TASS)に対して「このような挑発は最後ではない可能性が高い」との見解を示し、「ロシアスポーツ界に対するキャンペーン活動」だと述べた。

「こうした物議を醸すようなことが計画的に実行されている。(IAAFの決断について)どう評価すればいいのかわからないし、どうしてこういう行動をとれるのかもわからない。非人道的だ」

 IAAFは当初、25歳のクリシナは米国を活動拠点としていたため、ロシアの陸上選手では唯一リオ五輪の出場資格を認めていたが、13日に広報担当者が「ダリアの例外的出場資格を取り下げる」と発表し、「出場禁止処分はわれわれが新たに得た情報を基に決断され、その情報はダリアにも共有されている」とコメントした。

 女子走り幅跳びの予選は16日に行われるが、CASは14日中にもクリシナの訴えを審査し、裁定を下すとみられている。(c)AFP