【8月12日 AFP】サッカー元トルコ代表の点取り屋で、W杯日韓大会でのトルコの3位躍進にも貢献したハカン・シュクル(Hakan Sukur)氏に、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の追放を狙った7月15日のクーデター未遂をめぐる捜査で、逮捕状が出された。トルコの国営メディアが12日、報じた。

 イスタンブール(Istanbul)東のサカリヤ(Sakarya)県の検察当局によると、シュクル氏には、クーデターを計画したとされる米国在住のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の組織に参加していた疑いがある。トルコ政府はギュレン師の組織を「フェトフッラー派テロ組織(FETO)」と呼んでいる。

 半国営のアナトリア(Anadolu)通信によると、逮捕状の容疑は「武装テロ集団の構成員」。また父親のセルメト・シュクル(Selmet Sukur)氏にも同様の容疑で逮捕状が出された。だがシュクル氏と父親はイスタンブールとサカリアの自宅にはおらず、シュクル氏と家族は昨年にトルコから出国していたという。現在は米国に在住しているとみられている。

 2002年W杯日韓大会の韓国戦でシュクル氏が開始11秒で決めたゴールは今もなおW杯史上最速のゴールとなっている。サッカー引退後は政界に進出し、2011年にはエルドアン氏率いる公正発展党(AKP)から下院議員選挙に出馬して当選を果たした。

 だが2013年にエルドアン首相(当時)と側近に対する大規模な汚職疑惑が持ちあがると、議員を辞職し、エルドアン氏と対立するギュレン師を支持するようになった。(c)AFP