【8月7日 AFP】リオデジャネイロ五輪で6日、シリア出身のユスラ・マルディニ(Yusra Mardini)さんが(18)が競泳女子100メートルバタフライ予選に出場し、予選1組で1位になった。

 五輪史上初となる難民選手団の選手としてリオ五輪に参加しているマルディニさんは、約1年前、難民・移民を乗せたすしづめ状態の小型ボートでギリシャのレスボス(Lesbos)島を目指していた。その途中、船はエンジン故障を起こし、マルディニさんは姉とともに地中海(Mediterranean)に飛び込み、ロープでボートを安全な場所までけん引した。現在は家族とドイツで暮らしている。

 マルディニさんは5日に行われた開会式を途中で退席している。翌日の予選に備えるためだ。予選のマルディニさんのタイムは1分9秒21で、全体では41位で準決勝進出はならなかった。予選トップタイムは世界記録保持者、スウェーデンのサラ・ショーストレム(Sarah Sjostrom)選手の56秒26だった。

 それでもマルディニさんは、世界のトップ選手らと競い合う経験に興奮したと語り、「何もかもが素晴らしかった。五輪で競うことが私のただ一つの願いだったんです」、「水の中ではとてもいい気分だったので、そのことはとてもうれしいです」と話した。(c)AFP