【7月24日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者だった、故ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者が2011年に射殺された現場の活用をめぐる論争が起きている。墓地とするか公園とするかで軍と州政府がもめているのだ。

 パキスタン北部アボタバード(Abbottabad)にある約350平方メートルの広さの、ビンラディン容疑者が潜伏していた屋敷跡地の周囲に壁を建てた軍は、この土地を墓地にしたいと考えている。

 一方、米軍特殊部隊がビンラディン容疑者を殺害した後、この土地を引き渡された州政府は、再開発して公園にしたいと考えている。

「われわれはこの土地の周囲に壁を建てて不法侵入などから守ってきた。この地域は今、墓不足という重大な問題を抱えているので、この土地は墓地にするつもりだ」とアボタバード宿営地委員会(CBA)のズルフィカール・アリ・ブット(Zylfiqar Ali Bhutto)副会長はAFPの取材に対し語った。

 しかし北部カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州政府のムシュタク・ガニ(Mushtaq Ghani)氏は墓地建設に反対しており、「州政府はこの土地に公園を建設したいと考えている。資金を得られれば、年内にも公園にするつもりだ」、「住宅地の真ん中に墓地を建設することはできない」と述べた。

 ブット副会長は、CBAには墓地案を推し進める権限があると主張し、「われわれは来週、州当局者と会談し、問題を解決するつもりだ」と述べた。(c)AFP