【7月23日 AFP】米大統領選の共和党候補に指名されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が21日の共和党大会で、ビートルズ(The Beatles)の楽曲「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes the Sun)」を使用したことに対し、作曲者である故ジョージ・ハリスン(George Harrison)さんの遺産管理団体が非難する声明を発表した。トランプ氏の集会での楽曲使用についてはアーティストから怒りの抗議が相次いでいる。

 1969年発表のビートルズのアルバム「アビイ・ロード(Abbey Road)」のためにハリスンさんが希望と再生をテーマに書いた「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、トランプ氏が大統領選の共和党の正式な候補に指名された党大会で使用された。これに対して、ハリスンさんの遺産管理団体はツイッター(Twitter)に21日遅く、「ハリスンの遺産管理団体の遺志に反する不快な行為」だとする声明を発表した。

 同団体はハリスンさんの別の曲の題とかけて「『腹黒さに気を付けていたならば、許可していたかも。#TrumpYourself(トランプおまえのことだ)』と投稿した。

「ビウェア・オブ・ダークネス」(Beware of Darkness、暗闇に気を付けろ)は、1970年代にハリスンさんが発表したヒンズー教の影響を受けた作品で、物質的な執着を警告し「欲深いリーダーたちに気を付けろ、やつらはあなたを行くべきではないところへ連れて行く」と歌っている。

 移民たちを執拗(しつよう)に非難して目立ってきたトランプ氏は、自分の集会で使用した楽曲のアーティストらからたびたび抗議を受けており、これまでにローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)、アデル(Adele)さん、ニール・ヤング(Neil Young)さん、R.E.M.、エアロスミス(Aerosmith)、クイーン(Queen)といったロックスターや、イタリアの伝説的オペラ歌手である故ルチアーノ・パバロッティ(Luciano Pavarotti)さんの遺族からも楽曲を使用しないよう求められている。(c)AFP