■着衣を置いていく女性

 勇猛なレスラーを輩出したことで知られるサモ(Samo)民族のエロワさんは、歩くより早くレスリングをしていたと話す。

 頭頂部の髪をオレンジ色にしたエロワさんは、ブルキナファソ北西部トマ(Toma)から約35キロの村、ディエレ(Diere)の自宅の庭で、片手にナイフ、もう一方の手に生きたニワトリを持ってしゃがんでいた。

 ニワトリの喉を切り裂いたエロワさんは祖先について話した。「私を助けてくださいと祖先にお願いするんだ。私は祖先のためにレスリングをする。そうすれば私たちは一族のことを思うだろう」

 決勝トーナメントに進む7人はそれぞれ6万CFAフラン(約1万円)を手にすることができる。貧しいブルキナファソでは大金だ。

「今日、私たちは賞金とオートバイを勝ち取る。私の時代は、最強のレスラーは多くの女性も得たものだ!」とアダマさんは話した。「彼女たちは夕方に選手の控室に来て、好意を抱いていることを伝えるためにパーニュ(伝統的な着衣で、胴や腰に巻く長方形の布)を置いていったものだ」

(c)AFP/Nabila EL HADAD