【7月12日 AFP】米テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で警官が狙撃され十数人が死傷した事件で、銃撃犯のマイカ・ジョンソン(Micah Johnson)容疑者(25)の両親が米メディアの取材に応じ、息子は米陸軍を除隊した後に「失望」し、世間から引きこもるようになったと振り返った。

 7日夜に起きたこの事件では、黒人男性が相次いで警察に射殺された事件に抗議するデモの最中に白人警官が狙撃され5人が死亡。ジョンソン容疑者も警察との銃撃戦の末に死亡した。

 母親のデルフィンさんは11日に放映された米ニュースチャンネル「ザ・ブレイズ(TheBlaze)」とのインタビューで「軍はマイカが望んでいたようなところではなかった」と語った。「彼はひどく失望していた。政府や軍はこうあってほしいという理想を彼は抱いていたけれど、その期待にかなうものではなかったのでしょう」

 デルフィンさんは、息子が犯した狙撃事件は「正当化できるものではない」とも話した。

 米軍によると、ジョンソン容疑者は陸軍予備役兵として6年間勤務し、2013年11月から14年7月にかけてはアフガニスタンに派遣された。大工や石工が専門だった。

 父親のジェームズさんは、ジョンソン容疑者は除隊してから黒人史を学び始め、自身のルーツに関心を示すようになったと説明した。デルフィンさんは、息子は「世捨て人」になってしまったとも述べた。

 一方、親戚らは、ジョンソン容疑者に白人や特定の人種を憎悪する兆候は見られなかったと証言している。容疑者の継母は白人だ。

 ジェームズさんは「事態を良くするのに誰になんと言ったらいいのか分からない。こんなことは予想だにしていなかった」と涙ながらに吐露。「息子を心から愛しているが、彼がしたことは憎んでいる」と声を絞り出した。(c)AFP