【7月11日 AFP】リオデジャネイロ五輪の陸上米国代表選考会が10日、オレゴン(Oregon)州ユージーン(Eugene)で行われ、女子400メートルハードル決勝では16歳のシドニー・マクローリン(Sydney McLaughlin)が3着に入り、ここ36年間では史上最年少となる五輪の陸上米国代表に選出された。

 女子高校生のマクローリンは、一時はプレッシャーに対応しきれないかもしれないという不安を胸にして、選考会出場を前に緊張を乗り越えなければならなかったと明かした。それでも、この日のレースでマクローリンは見事な落ち着きを見せ、ジュニア世界記録の54秒15でフィニッシュした。

 6歳の時、父親とのチョコレートバーの約束から陸上競技に挑戦することになったマクローリンは、ジャンクフードのことを考えながらゴールに突き進んだと語った。

「走り終わったらチーズバーガーを食べるんだっていう気持ちでした」

 マクローリンは、1980年のキャロル・ルイス(Carol Lewis)氏以降では最年少となる五輪の陸上米国代表となった。しかしながらルイス氏は、米国代表団がモスクワ五輪をボイコットしたため、実際には五輪に出場していない。

 米国代表として五輪に臨んだ最後の16歳の選手は、1976年のモントリール五輪で女子100メートルハードルに出場したロンダ・ブレイディ(Rhonda Brady)氏となっている。

 ニュージャージー(New Jersey)州出身のマクローリンは、ユージーン到着後、選考会出場という機会に押しつぶされそうになったと明かした。

「初日は間違いなく一番きつかったです。駄目なんじゃないかという気持ちになった瞬間もありました。でも、コーチから『スタートラインについて、このレースを走るんだ』と言われたんです」

 一方でマクローリンは、幼い頃から成功報酬を受け取っていたと明かした。

「6歳の時、私の父がレースに勝ったらアーモンド入りのチョコレートバーをくれると言ったんです。そこで勝ってチョコバーをもらって、それからはチョコバーがもらえるのでずっと走り続けているんです」

 昨年の第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)で米国代表だったコリ・カーター(Kori Carter)は、マクローリンに敗れて4着に終わった。カーターは記者団に対し、若いライバルについてこう語った。

「彼女は野獣で、本物。予選から全レース彼女と一緒だったけれど、プロのような振る舞いだった。彼女が米国代表になるのは素晴らしいこと」

(c)AFP