【6月12日 AFP】(更新、写真追加)太陽エネルギーのみでの世界一周飛行に挑戦している次世代ソーラー飛行機「ソーラー・インパルス2(Si2)」は11日、ニューヨーク(New York)の「自由の女神像(Statue of Liberty)」付近を通過した後、ニューヨークの空港に着陸した。

 自動車程度の重さながら、ボーイング(Boeing)747型機ほどの翼幅を持つ同機は、全行程3万5000キロの世界一周飛行に挑戦中。スイス人冒険家のベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)氏と元スイス空軍のベテラン飛行士、アンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏が交代で操縦を担当している。

 ボルシュベルク氏は、眼下の夜空に自由の女神像がライトアップされる様子をライブ配信で見て「信じられないくらい見事。夢のようだ」と声を上げた。

 Si2は、ペンシルベニア(Pennsylvania)州のリーハイバレー空港(Lehigh Valley Airport)を離陸してから5時間後、予定より1分早い現地時間11日午前3時59分(日本時間同午後4時59分)にケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)に着陸した。

 ニューヨーク港(New York harbor)で待ち構えていた写真家らは、ベラザノ橋(Verrazano Bridge)上空を通過して自由の女神像を旋回し、マンハッタン(Manhattan)の摩天楼が描くスカイラインの上空を飛行した後、着陸に向け南へ進路を変えたSi2の姿をカメラに収めた。

 Si2は、2015年3月9日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)を出発し、アジアと太平洋を横断して米国まで飛行してきたものの、なお全行程の3分の1を残している。

 Si2は今後、ニューヨークから大西洋を横断して欧州に、さらに中近東へと向かい、出発地であるアブダビを目指す。(c)AFP/Jennie MATTHEW