■唯一欠けたタイトル

 今、アンドリーニャのピッチでプレーする少年たちは、ロナウドの足跡をたどることを夢見ている。9歳のジョゼ・ペドロ(Jose Pedro)くんは、「ロナウドは最高のお手本だよ。まねして蹴ったフリーキックは絶対に入るんだ」と話している。

 ロナウドは、9歳でCDナシオナル(C.D. Nacional)に入団。その後はもはや歴史だ。スポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)に引き抜かれたロナウドは、10代でマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に加入すると、当時最高の移籍金でレアル・マドリード(Real Madrid)に加入。そして現在では、数えきれないほどのトロフィーを獲得し、記録を刻んでいる。

 サントスさんは、「当時、すでに彼は特別だった。ある日、3-0でリードしていた試合で、彼が負傷退場すると、最後は3-4で負けてしまったことを覚えている」と明かした。

 ロナウドを知る人々は、彼がいつもボールを蹴っていたと口をそろえる。そのたゆまぬ練習の積み重ねが、彼をスーパースターの座に引き上げた。ロナウドと同じ地区で育ち、現在は記念館の管理人を務めるいとこのヌーノ・ヴィヴェイロス(Nuno Viveiros)さんは、「クリスティアーノは決して満足しない。常に向上心を忘れないんだ」と話している。

 欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)や、欧州各国のリーグ戦を制しているロナウド。ポルトガル代表の柱として出場する今回の欧州選手権のトロフィーは、彼の記録に「唯一足りない星のかけらだ」とヴィヴェイロスさんは語った。(c)AFP