【5月20日 AFP】エジプト航空(EgyptAir)は、地中海(Mediterranean Sea)で19日に乗客乗員66人を乗せたまま墜落した同航空機の残骸が見つかったと発表した。一方ギリシャの航空安全当局トップはAFPに対し、見つかった残骸は「飛行機のものではない」として、これを否定した。

 エジプト航空はツイッター(Twitter)の公式アカウントで、「エジプト民間航空省は同国外務省から、(ギリシャの)カルパトス(Karpathos)島付近で消息を絶ったMS804便の残骸発見を発表する公式の書簡を先程受け取った」と英語で投稿。

 さらに、水面に浮かんでいる「複数のライフジャケットとプラスチック素材」が見つかったことも明かし、「エジプトとギリシャの調査班が協力し、さらなる不明機の残骸がないか探している」としている。

 これに対し、ギリシャの事故調査航空安全委員会のアサナシオス・ビニス(Athanasios Binis)委員長はAFPに、「これまでのところ、残骸の分析で分かったのは、飛行機のものではないということであり、最後に連絡を取った時点ではエジプト側も残骸が同機のものであるかどうかまだ証明されていないと認めていた」と明かした。

 ビニス委員長は、「見つかったものは木片と、飛行機には使われない素材だった」「手元にある地理情報に基づけば、われわれが話しているのは同じ残骸についてだ」と述べた一方で、いつ何時でも新情報が入る可能性はあると強調した。

 エジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領はその後の声明で、全関係機関に対し、不明機の捜索に全力を挙げるよう求めた。

 同機の墜落をめぐっては、その原因が爆弾によるものだった可能性についても調査が行われている。

 エジプトのシェリフ・ファトヒ(Sherif Fathy)民間航空相は、このエアバス(Airbus)A320型機が消息を絶った理由を断定するのは時期尚早ながら、「技術的なものというよりは、テロ攻撃だった可能性の方が高い」と述べた。

 エジプトでは昨年10月にも、ロシアの旅客機がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によって爆弾攻撃を受ける事件が発生。エジプトとフランスはともに、ここ1年間でISによる攻撃の標的とされており、今回の墜落も爆弾によるものだった疑いが浮上している。(c)AFP