【4月25日 AFP】世界ラリー選手権(WRC 2016)第4戦、ラリー・アルゼンチン(Rally Argentina 2016)は24日、最終日が行われ、ヒュンダイ(Hyundai)のヘイデン・パッドン(Hayden Paddon、ニュージーランド)が初優勝を飾った。

 一方、昨季王者でフォルクスワーゲン(Volkswagen)のセバスチャン・オジェ (Sebastien Ogier、フランス)は、パッドンに大きく引き離されて2位に終わっている。

 将来の世界王者として期待されるパッドンは、フォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ(Jari-Matti Latvala、フィンランド)がクラッシュすると、そこからトップのポジションを引き継いだ。

 この日のスペシャルステージ(競技区間)で、ギアボックスを交換して一時はオジェに後れをとってしまったものの、パッドンは最終日に果敢な走りをみせた。

 沿道で約6万5000人の観衆が見守るなか、冷静さを保ち続けた29歳のパッドンは、エル・コンドル(El Condor)のパワーステージで最速タイムを記録し、2位以下に14秒差をつけてレースを制した。43年の歴史を持つWRCで、ニュージーランド出身のドライバーが優勝したのは今回が初めてとなる。

 パッドンはマシンのなかで思わず飛び上がって勝利を喜んだことについて聞かれ、「信じられなくてね。勝てるとは思ってなかったんだ」と語った。

 ドライバーとして駆け出しのカート時代には、フィッシュ・アンド・チップス店をはじめ、あらゆる仕事で生計を立てていたというパッドンは、「最終ステージは全力を尽くした。エル・コンドルのように厳しく曲がりくねったコースは自分向きではないけれど、人生に残るステージを走ることができた」と喜んだ。

「残りのシーズンに向けて、良い自信になったよ」

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