【4月18日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が17日、第3戦中国GP(Chinese Grand Prix 2016)決勝でチームメートのキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)と接触する原因となったレッドブル(Red Bull)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)を「狂っている」と批判した。

 ベッテルは第1コーナーで強引に突っ込んできたクビアトを避けようとしたところ、ライコネンのマシンと接触。ベッテルはチーム無線で「(クビアトは)頭がおかしい。あのアタックは自殺行為だ」と怒鳴り、ライコネンはマシンのダメージを修復するためにピットインを余儀なくされた。

 この接触でベッテルは大きく順位を下げたものの、その後はクビアトをオーバーテークするなど素晴らしい追い上げをみせ、最終的には優勝したメルセデスAMG(Mercedes AMG)のニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)に次ぐ2位でレースを終えた。

 ベッテルはレース終了直後、クビアトに対して「魚雷のように突っ込んできた!」と抗議すると、「あのまま同じラインにいれば、僕らはクラッシュしていただろう。今回はただ運が良かっただけだ」と怒りをあらわにした。

 対するクビアトは「それがレースだ」と応じ、「3台のマシンを同時に見ることなんてできないよ。目は2つしかないんだから」と反論すると、ベッテルの怒りはさらに増し、「そんな運転していればいつかクラッシュするだろうね、狂っているよ」と述べた。

 ベッテルはその後、チームメートのライコネンに謝罪したことを明かし、「本当に申し訳ないと思っている。キミにとっても残念な結果だった。だけど、あの場面で僕に逃げ道はなかった」と語った。

 一方、ロズベルグが優勝スピーチを行っている最中にベッテルと激しく言い合っていたクビアトは、問題の場面について質問されると、反省した様子をまったくみせなかった。

「スペースがあればそこに行く。たしかにそれはリスクがあったし、セブ(ベッテル)の意見に同意するよ。だけど、そうしないと表彰台を獲得できないんだ。僕も彼も表彰台を獲得できた。それでいいだろう。今後もリスクを冒すよ。彼も理解してくれるはずだ」

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