【4月8日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)による「ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)」が行われたアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所で、1075人の殺害をほう助した罪で起訴されていた93歳の元看守の男が、裁判開始の1週間前に死亡した。独西部ハーナウ(Hanau)の裁判所が7日、声明で明らかにした。

 エルンスト・トレメル(Ernst Tremmel)被告は1942年11月~43年6月、当時ナチスが占領していたポーランドのアウシュビッツ強制収容所で看守として働いていた。ナチス親衛隊(SS)と共に、収容所に送られてくる人々の受け入れを担当し、独首都ベルリン(Berlin)やフランス、オランダからの人々の移送に直接関与していたとされている。

 2月に裁判について発表した際、裁判所は、(同被告がいた期間に)アウシュビッツに送られた人々のうち、少なくとも1075人が到着してすぐにガス室で殺害されたと述べていた。

 トレメル被告の裁判は来週13日にハーナウで始まる予定だった。複数のアウシュビッツ生還者が証言することになっていたが、裁判は中止された。トレメル被告の死因は公表されていない。(c)AFP