【3月7日 AFP】コンゴの平和維持活動(PKO)部隊の基地で残飯やお金を探していたとき、18歳の女性は3人の男にレイプされた。

「彼らは私を林の中に連れ込んだ。武器を持っていて、抵抗したら殺すと言われた」と、彼女は国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)に語った。

 内戦と貧困が続き、兵士が常駐している中央アフリカでは、性的暴行が多発している。

 青いヘルメットをかぶった国連(UN)のPKO要員による民間人に対する性的暴行が疑われる事例は、毎月のように発生している。

 2014年9月に平和維持部隊の任務が開始されてから、性的暴行や性的搾取が疑われる事件が42件通報されている。旧宗主国であるフランスの当局も、仏軍の駐留兵士にかけられたレイプ容疑を捜査しているところだ。

 中央アフリカで起きている性的暴行事件のほとんどは、内戦によって国内避難民となっている人々のキャンプ地の近くで起きている。そうしたキャンプ地は、避難民たちを守る立場にある国連中央アフリカ多面的統合安定化ミッション(MINUSCA)の基地の近くにある。

 容疑はPKO要員だけにかけられているわけではない。キリスト教徒とイスラム教徒の3年にわたる対立により同国の経済は疲弊。混乱に陥った国内では、性的暴行が横行している。

 国連人口基金(UNFPA)によると、2015年1月から10月に通報された性的暴行事件は、レイプも含めて3万件に上ったという。

 首都バンギ(Bangui)の空港近くにあるムポコ(M'Poko)ような難民キャンプは、人口過剰と貧困でスラム化が進んでいる。そのため若い女性の中には、パンや500CFAフラン(約95円)と引き換えに、平和維持部隊の要員を含む男性との性交渉やオーラルセックスに応じる人もいる。

 夫を亡くしたり夫と離れ離れになったりした「女性には、家族を養うために提供できるものは体しかない」と、地元NGO「ビタリテ・プリュス(Vitalite Plus)」で働くイレーネ・ヌゴグイ(Irene Ngogui)氏は言う。

 両親が若い娘に売春させる場合もある。「最近、14歳の娘に体を使って食べ物をもらってこさせようとした母親がいた。それを拒んだ娘は殴られ、家から追い出された」と、匿名を希望した人道支援の活動家は語った。

「夜になると青いヘルメットの兵士たちが車でやってきて、少女たちは彼らを追いかけていく」と、キャンプに住んでいるリアと名の母親は言う。「彼女たちは、イワシをもらえることを知っている」(c)AFP/Célia LEBUR