【2月17日 AFP】大相撲初場所で、10年ぶりに日本出身力士として優勝を果たした大関・琴奨菊(Kotoshogiku)が16日、東京都内で記者会見に臨み、外国出身力士に席巻される現状を変えるには、日本の力士も勝負に対する執念を持たなくてはならないと話した。

 1月に待望の優勝を果たした32歳の琴奨菊は、日本古来の競技で過去15年、モンゴル出身力士が一大勢力を築いているのは偶然ではないと考えている。

 琴奨菊は会見で、「日本人力士もみんな優勝したいと思っています。食べる肉や野菜も外国人力士と同じ。だけど勝負の世界は勝たないと意味がない。日本人は固定観念がありすぎるのかもしれません。何としてでも勝つという貪欲さが足りない気がします」と話した。

 角界に外国人力士が増え始めたのは1990年代。285キロの巨体で、海外では「ダンプトラック」の異名を取った小錦(Konishiki)の頃から、本格的に外国出身力士の攻勢が強まった。

 当時は米ハワイ(Hawaii)州出身力士が中心だったが、その後はモンゴル勢が台頭。力士としての力量は申し分なかったものの、品格に問題があるとされた朝青龍(Asashoryu)を皮切りに、現在では白鵬(Hakuho)が史上最多となる35度の賜杯獲得を果たしており、昔ながらのファンや親方が、彼らと優勝争いができる日本人力士がいないと嘆く状況が続いていた。

 グレーの着物姿で、椅子2つをテープでとめた急ごしらえの頼りない椅子に腰かけた琴奨菊は、「白鵬関にはいろいろな武器があります。足がよく動くし、相手の虚をつくのがうまい。多くの日本人力士にとって、相撲は力と力のぶつかり合いですが、まずはその考え方を変える必要があるのかもしれません」と話した。